
診療情報(カルテ情報等)の利活用について
企業等との共同研究で、本院の診療情報(カルテ情報や検査データ等)を利用する際の手続きです。MDUCが審査・支援の窓口となります。
利用申請フロー
MDUCへの確認依頼から研究開始までの流れ
MDUCへの確認依頼の準備
はじめに、以下の3つの書類をご準備ください。
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共同研究における医療データ利活用の審査申込書
- この書類は、申込者(先生)が記入する部分と、共同研究先の企業担当者に記入を依頼する部分があります。
- 事前に企業担当者様へご連絡の上、記入をご依頼ください。
- 提供先企業が複数ある場合は、企業の数だけシートをコピーして作成いただくようお伝えください。
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共同研究契約書(案)
- 相手方と合意前の案で構いません。
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研究計画書(案)
- 研究計画の検討段階のもので構いません。
MDUCによる内容確認
ご提出いただいた書類をMDUCで確認し、契約や研究倫理の観点から問題がないかチェックします。

📋 共同研究契約書(案)の主な確認事項
📋 研究計画書(案)の主な確認事項
💡 フィードバック対応について
修正が必要な場合はMDUCからフィードバックいたしますので、ご対応をお願いいたします。
並行手続き契約締結 と 倫理審査
MDUCの確認が完了したら、「契約手続き」と「倫理審査」を並行して進めてください。
- 契約手続き: 共同研究契約の手続きを進め、部局長の承認を得てください。
- 倫理審査: 研究計画書を倫理審査委員会へ提出し、承認を得てください。
研究開始・データ提供
「共同研究契約の締結」と「倫理審査の承認」の両方が完了したら、研究およびデータの提供を開始します。
提出書類・テンプレート(診療情報・共同研究用)
ご提出いただく「審査申込書」はこちらからダウンロードしてください。申込者(学内研究者)用のシートと、共同研究先の企業担当者用のシートが含まれています。
共同研究における医療データ利活用の審査申込書
共同研究契約書(雛形)
研究計画書(MDUC確認用テンプレート)
期間の延長や研究内容に変更がある場合は、再度書類の提出が必要です。

診療画像データの利活用について
東北大学病院で撮影されたCT・MRI等の診療画像を、臨床研究で利用するための手続きガイドです。
個人情報の安全管理措置として氏名等を削除する仮名加工処理を行い、データを提供します。
🚨 まず知っておくべき重要事項

令和4年12月からの変更点
- 有償化:画像データの仮名加工処理が有償になりました
- 手順の明確化:相談申請から正式申請まで、段階的な手続きが必要
- 価格体系:検査数に応じた価格設定(1-20検査:10,000円~)
⚠️ 研究計画書作成時の注意
提供される画像データは、生命・医学系指針における「仮名加工情報(既に作成したものに限る)」には該当しません。
本院で行う仮名加工処理は「個人情報の安全管理措置」であり、個人情報保護法第2条第5項の「仮名加工情報」とは取扱いが異なります。
対象外となる研究・用途
- 治験における画像データの提供
- 地域連携事業やオフラインの診療用画像など、個人情報を含む医療データの病院診療システム外への提供
- 開発目的のデータ提供(2022年12月現在、制度整備中のため利用不可)
※これらの用途での画像提供については別途規定を検討中です
📋 画像データ提供の全体フロー(7ステップ)

注記:研究計画に必要な情報収集のための相談は、倫理審査の準備段階からでもお受けしています。
研究者相談申請(Googleフォーム)
研究内容と利用したい画像データについて、相談申請フォームから申請します。
必要な項目
- 申請者の氏名・所属・役職
- 連絡先メールアドレス(東北大メールアドレス必須)
- 研究内容の概要
- 希望する画像データの種類と必要な検査数の目安
- 相談日時の希望(複数候補を記載)
MDUC・放射線部門申請情報の確認
申請情報を自動でメール受信し、内容を確認します。
相談・打合せ提供可否の検討
MDUC・放射線部門の担当者と、画像データ提供の可否や内容について打合せを行います。
- 画像データリスト(CSVファイル)の提示
- 正式申請用フォームの送付
- 提供日の目安連絡(納期目安:3~7日)
研究者倫理審査にて承認済みの研究計画書提出(任意)
内容に応じて、研究計画書の提出を求めることがあります。
研究者正式なデータ出力申請
必要な手続きが完了後、MDUCから送付された専用Googleフォームで正式申請を行います。
正式申請で必要な項目
- ハードディスクの有無(持参するか、購入を希望するか)
- 利用目的の選択(研究 or 症例報告)
- 画像データリスト(MDUCから送付されたもの)
- 倫理委員会の承認番号と承認日
- 支払財源に関する情報(研究費等)
MDUC・放射線部門画像データ処理・提供準備
正式申請の内容確認後、以下の処理を行います:
- 仮名加工処理の実施
- 処理済み画像のストレージ保存
- 記憶媒体への保存
- 出力画像データリストの作成
研究者データ受領
画像データの取扱いに関する誓約書に署名の上、データを受領します。
※記憶媒体を貸出した場合は、データ転送後にMDUCに返却してください
💰 画像データ提供料について

運営とシステム維持に必要な経費の確保のため、データ提供を受ける利用者の受益者負担として「画像データ提供料」を設定しています。
💡 価格に関する重要事項
- ハードディスク費用:購入する場合は上記価格に実費を加算
- 支払方法:4半期ごとの月末に研究推進室が算定し、経理課を通じて振替処理
- 請求書:別途請求書をお送りすることはありません
⚠️ 価格適用の留意事項
- 学内臨床研究のみ:上記価格表は学内で行われる臨床研究が対象
- 企業共同研究:別途算定を行う予定(準備中)
- 開発目的:学内制度整備中のため現時点では利用不可
データカタログ

現在、データカタログを準備中です
どのようなデータが利用可能かについては、個別にご相談を承っております。
お手数ですが、お問い合わせ窓口までお気軽にご連絡ください。

よくあるご質問(学内向け)
💡 共通事項
Q. まだ研究テーマが漠然としていても相談できますか?
A. はい、もちろんです。「こんなデータは利用可能か」といった初期段階のご相談も歓迎しております。まずはお気軽にご連絡ください。
Q. データカタログはいつ頃公開されますか?
A. 現在、学内の皆様にご活用いただきやすい形での公開を目指し、準備を進めております。公開時期が決まりましたら、改めてお知らせいたします。
📊 診療情報(共同研究)について
Q. 企業との共同研究で利用する申請書について、企業担当者記入欄はどのタイミングで依頼すればよいですか?
A. MDUCへ確認依頼をいただく前に、先生から企業のご担当者様へ直接ご連絡いただき、ご記入を依頼してください。MDUCへのご提出は、企業担当者の記入が完了した後にお願いいたします。
🖼️ 画像データについて
Q. 画像データを利用したいのですが、まず何をすればよいですか?
A. まずは「画像データ利活用 相談申請フォーム」からご連絡ください。申請内容を確認後、担当部署(MDUC・放射線部門)より打合せのご連絡を差し上げます。研究計画の検討段階からご相談いただけます。
Q. 東北大メールアドレス以外では申請できませんか?
A. 相談申請用Googleフォームは、東北大メールアドレスのGoogleアカウントでのログインが必要です。学外の方は、学内研究者を通じてお申し込みください。
Q. どのような画像データが利用できますか?
A. 本院で撮影されたCT、MRI、X線写真等の診療画像が対象です。相談時に具体的な画像の種類と必要な検査数をお聞かせください。利用可能性について個別に検討いたします。
Q. 提供された画像データは仮名加工情報として扱えますか?
A. いいえ。本院で提供する画像データは、生命・医学系指針における「仮名加工情報(既に作成したものに限る)」には該当しません。個人情報の安全管理措置として氏名等を削除したものであり、個人情報保護法の「仮名加工情報」とは取扱いが異なります。研究計画書作成時はご注意ください。
Q. 価格はいくらくらいかかりますか?
A. 検査の種類と数に応じて価格が設定されています。CT・MRI・その他の場合:1-20検査で10,000円、2,500件以上は1件20円。CRの場合:100件まで50,000円、101件以降は1件1円です。詳細な価格表は上記「画像データ提供料について」をご確認ください。
Q. CRとは何ですか?他の画像検査との違いは?
A. CR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)は、従来のX線フィルムに代わり、輝尽性蛍光体でX線透過画像を短時間かつ高感度に画像化・デジタル処理し、診断する手法です。CT・MRIなどとは価格体系が異なり、100件まで定額50,000円、それ以降は1件1円の設定になっています。
Q. 企業との共同研究でも同じ価格ですか?
A. 企業との共同研究については、現在別途算定方法を検討中です。詳細が決まり次第、ご案内します。まずは事前にご相談ください。
Q. 記憶媒体(ハードディスク等)は自分で用意する必要がありますか?
A. ハードディスクをお持ちでない場合は、実費で購入いたします。正式申請時に「ハードディスクの有無」を選択してください。記憶媒体を貸出した場合は、データ転送後にMDUCに返却していただきます。
Q. 誓約書の内容はどのようなものですか?
A. 出力された画像データの取扱いに関する誓約書への署名が必要です。データの適切な管理、目的外使用の禁止、研究終了後の処理方法などについて記載されています。詳細はMDUCにお問い合わせください。
🏛️ 個人情報保護法改正の影響について

📈 データ利活用の促進
「仮名加工情報」制度が新設され、氏名等を削除・置換した情報は以下の義務が軽減されました:
- 利用目的の制限の対象外
- 漏えい等の報告義務の対象外
- 本人からの開示請求の対象外
- 利用停止等の請求権の対象外
🛡️ 権利保護の強化
- 短期保存データも対象に:6か月以内に消去するデータも罰則対象
- 開示方法の多様化:本人指定の方法(電磁的記録等)での開示が可能
- 利用停止・消去請求の拡充:以下の場合も請求可能になりました
- 事業者が利用する必要がなくなった場合
- 違法・不当な行為を助長するおそれがある利用
- 漏えい等が生じた場合
- その他権利利益が害されるおそれがある場合
- 第三者提供記録の開示:どこに提供したかの記録も開示請求可能
⚖️ 事業者の責務追加と罰則強化
新たな義務:
- 漏えい時の報告義務:個人情報保護委員会と本人への報告が必要
- 不適正な利用の禁止:違法・不当な行為を助長する利用の明文禁止
罰則の大幅強化(特に病院等事業者):
- 措置命令違反:1億円以下の罰金
- 個人情報データベース等の不正流用:1億円以下の罰金
- 報告義務違反:50万円以下の罰金
※この要点は2022年4月施行の改正個人情報保護法を基にMDUCで整理したものです。詳細についてはMDUCまでお問い合わせください。
お問い合わせ・ご相談

医療データの利活用に関するご相談は、メールまたは下記フォームからお気軽にご連絡ください。
- 担当部署: 医療データ利活用センター(MDUC)
- Email: mduc@grp.tohoku.ac.jp
- 相談受付時間: 平日 9:00~17:00
※画像データに関するご相談は、画像データセクションの専用フォームからお申し込みください。